頭語と結語はお辞儀と同じ
「頭語と結語」は文章にとって挨拶のような役目ものです。
初めてお会いする方、お世話になっている方、顔見知りの親しい方に直接お会いした時に会釈やお辞儀をするそんな役目を果たす文字の挨拶です。
失礼が無いようにまた、丁寧さが必要以上になると慇懃無礼(いんぎんぶれい)に感じさせてしまいますので状況に合ったものを選びましょう。
通常は以下の言葉を使います。
一般に使われるもの | 拝啓 | お辞儀をして申し上げる | 敬具 | 謹んで申し立てます | ||
より丁寧な場合 | 謹啓 | つつしんで申し上げる | 敬白 | 礼をつくして申します | ||
急いでる場合〔注1〕 | 急啓 | 取り急ぎ申し上げます | 草々 | 慌ただしくて申し訳ございません・簡単で申し訳ございません | ||
前便に続けて出す場合 | 再呈 | 重ねて申し上げます | 敬具 | 謹んで申し立てます | ||
返信の場合 | 拝復 | 謹んでお返事申し上げます | 敬具 | 謹んで申し立てます | ||
前文を省略する場合 〔注1〕 |
前略 | 冒頭のご挨拶を省略させていただきます | 草々・不一 | 簡単で申し訳ございません・十分に意を尽くしていないと存じんますが |
〔注1〕急いでる場合の「急啓」等や前文を省略する「前略」を使用した場合は、本文の最初の時候の挨拶は省略します。
その他の頭語と結語
往信
拝呈 「お辞儀をしてお贈りいたします。」
→ 敬白 「礼をつくして言います。」
(呈は「贈ります。差し出す。」の意)
啓白 「敬って申し上げます」
→ 敬白 「礼をつくして言います。」
(白は「言います。」の意)
啓上 「言う」の謙譲表現「申し上げる」
→ 拝具 「お辞儀をして申し上げます。」
→ 敬白 「礼をつくして言います。」
(白は「言います。」の意)
→ 拝具 「お辞儀をして申し上げます。」
特に丁寧な場合
恭啓 「うやうやしく申し上げる。」
→ 再拝 「再びお辞儀をいたします。」
→ 謹言 「謹んで言上いたします。」
謹白 「謹んで申し上げます。」
→ 謹白 「謹んで申し上げます。」
奉啓 「うやうやしく申し上げます。」
→ 謹上 「謹んで差し上げます。」
謹上 「謹んで差し上げます。」
→ 再拝 「再びお辞儀をいたします。」
謹呈 「謹んでお贈りします。」
→ 頓首 「(頭を地につくように下げ)礼をする様」
粛啓 「厳粛に申し上げる。」
→ 謹白 「謹んで申し上げます。」
→ 謹白 「謹んで申し上げます。」
→ 謹上 「謹んで差し上げます。」
→ 再拝 「再びお辞儀をいたします。」
→ 頓首 「(頭を地につくように下げ)礼をする様」
→ 謹白 「謹んで申し上げます。」
急ぎの場合
急白 「取り急ぎ申し上げます。」
→ 敬白 「礼をつくして言います。」
急陳 「急ぎ申し上げます。」
→ 草々 「慌ただしくてすみません。」
(陳は「述べるの意」)
急呈 「急いでお贈りします。」
→ 不一 「十分に意を尽くしていないと存じんますが」
→ 草々 「慌ただしくてすみません。」
(陳は「述べるの意」)
→ 不一 「十分に意を尽くしていないと存じんますが」
前便に重ねて出す往信の場合
再啓 「再び申し上げます。」
→ 敬具 「謹んで申し立てます。」
追啓 「追って申し上げます。」
→ 敬白 「礼をつくして言います。」
再呈 「再びお贈りいたします。」
→ 拝具 「お辞儀をして申し上げます。」
(呈は「贈ります。差し出す。」の意)
→ 敬白 「礼をつくして言います。」
→ 拝具 「お辞儀をして申し上げます。」
(呈は「贈ります。差し出す。」の意)
返信の場合
拝復 「お辞儀をしてお返事します。」
→ 拝答 「お辞儀をしてお答えします。」
謹復 「謹んでお答えします。」
→ 謹言 「謹んで言上いたします。」
謹答 「礼を尽くしてお返事します。」
→ 敬答 「礼をつくしてお答えします。」
拝誦 (はいしょう)「(貴方のお手紙を)
お辞儀をして読みました。」
→ 敬答 「礼をつくしてお答えします。」
→ 謹言 「謹んで言上いたします。」
→ 敬答 「礼をつくしてお答えします。」
お辞儀をして読みました。」
→ 敬答 「礼をつくしてお答えします。」
前文省略の場合
冠省 「前文を省きます。」
→ 怱々 「忙しくてすみません。」
略啓 「前文を略して申し上げます。」
→ 不一 「十分に意を書き尽くしておりませんが。」
略陳 「おおよそを述べます。」
→ 草々 「慌ただしくてすみません。」
→ 不一 「十分に意を書き尽くしておりませんが。」
→ 草々 「慌ただしくてすみません。」